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    Feature特集

    インタビュー 小林寛司 有田川町「G.G.プロジェクト」をふりかえって 2

    和歌山県岩出市「ヴィラ アイーダ」のシェフ、小林寛司さんが中心となって、同じく和歌山の有田川町で行われたイベント「G.G.プロジェクト」。編集部は後日、小林シェフにインタビューを依頼しました。

    編集部――先ほど伺った以外にも、小林シェフの子供の頃のことで、残っているイメージはありますか?

    小林――僕が小さいころ、お母さんが、切った(使った)ラップを洗って台所に干してるんです。僕は、「ラップは使い捨てるもん違うんか?」と思っていて。お母さんは環境とかそこまで配慮していたわけではないと思うのですが、最近もしかして、それなりにそういうこと考えてたのかなって。今はもういないから聞けないけど……。そんな感じで(高校生も)、名前は忘れたけど東京からかっこいいシェフ(笑)が来て山椒を料理してたな……今考えたらああいうことだったのかな……って、大人になったら思い返してくれたらって。

    でも、ただ、不安はありました。僕らが押しつけで、こう……嫌々来られたらどうしようって。「押しつけてんのやったら嫌な思い出しか残らないし」と思って。始まるまでずっと、その不安はすごくありました。

    編集部――実際どうでしたか?

    小林――初めは高校生、すごく緊張していて。大人も緊張があるから、サービスのレクチャーのとき怖い顔してて(笑)。だから僕、(高校生に)冗談言いに行ったんですよ。「このへんアイスクリーム売ってないでしょ」なんて。好きなアイス聞いたり、「あんま細かいこと気にしないで、笑顔で、家族に晩ごはん運ぶ感じでやってね」とか言って。そしたら、笑うようになって。

    小林――表情が変わっていって、楽しげだったのはよかったです。それと、あとから知ったんですけど、家庭科の授業があるからって和歌山市内からわざわざ有田川町に通っている子がいるらしくて。(清水分校ではなく)本校なんですけど、それでも1時間かかる。で、本校からあの会場まで1時間。あのとき、2時間かけて来た子がいるって。でも、来てよかったって言ってたって聞いて。

    編集部――嬉しいですね。家庭科があるからというのは、もしかしたら、もともと料理に興味があるのかもしれませんね。……でも、シェフたちが料理界で有名というのは知らないかも。

    小林――うん、他の子も、全然知らなかったです。全然、へーって感じ。それは、僕も違う業界のトップを走っている人のことを知らないのと一緒ですよね。

     

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