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    Serial連載

    髙橋 雄二郎ル スプートニクのデザート

    Vol.6 メレンゲ マンゴーココナッツ

    お店で提供している塩味のスフレから着想を得た一皿。もともとは温かな前菜ですが、デザートにするにあたり、ライム風味の焼きたてのメレンゲにココナッツパルフェを合わせて、温度差のある仕立てに。それだけでは淡い印象のため、センターにアングレーズソースとピスタチオのアイスを入れてコクと軽さのバランスをとり、満足感のあるメインデザートに仕上げています。

    PHOTO: MASAKO KAKIZAKI
    • Elément de configuration

    メレンゲ マンゴーココナッツの構成要素

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    • ビスキュイ・ジョコンド

      Bisucuit Joconde

      ビスキュイ・ジョコンドの作り方

      1. ミキシングボウルに粉糖、卵黄、卵白を合わせ、リュバン状まで立てる。
      2. 卵白、グラニュー糖でメレンゲを立てる。
      3. 1に2の3分の1を加え、2、3回ゴムベラで混ぜたら薄力粉を加えてさっくりと合わせる。残りの2を加えて合わせる。
      4. シルパットを敷いた鉄板に3を気泡を潰さないように7㎜厚さにのばす。180℃のコンベクションオーブンで約8分焼く。円形に抜いて使う。
    • ソース・アングレーズ

      Sauce Anglaise

      ソース・アングレーズの作り方

      1. 鍋に牛乳、生クリーム、バニラビーンを合わせて沸かす。
      2. ボウルに卵黄とグラニュー糖をすり混ぜ、1を加えて混ぜ、鍋に戻して炊き上げる。
      3. 半球状の型に流して冷凍し、ベジタブルゼラチン液にくぐらせて冷蔵庫で解凍する。
    • ライムのメレンゲ

      Meringue Citron Vert

      ライムのメレンゲの作り方

      1. ライム果汁、水、乾燥卵白、グラニュー糖を合わせてメレンゲ状に泡立てる。
      2. 1にライムの皮を削り、混ぜる。
    • ココナッツのパルフェ

      Parfait Noix de Coco

      ココナッツのパルフェの作り方

      1. ココナッツピュレを温めてホワイトチョコレートと合わせ、混ぜてガナッシュ状にする。
      2. 1にゼラチンを加えて溶かし、粗熱が取れたらココナッツリキュール、ダークラムを加えて混ぜる。
      3. 六分立てにした生クリームの一部を2に加えて合わせ、イタリアンメレンゲを加えて合わせ、残りの生クリームを加えて合わせる。セルクルに流して冷凍庫で冷やし固める。
      4. 中央をセルクルで抜いて使う。
    • ピスタチオのグラス

      Glace à la Pistache

      ピスタチオのグラスの作り方

      1. 鍋で牛乳、生クリームを沸かす。
      2. ボウルに卵黄とグラニュー糖をすり混ぜ、1を加えて混ぜ、鍋に戻して炊き上げる。
      3. 2をピスタチオペーストと合わせてハンディブレンダーでなめらかにする。漉してアイスクリームマシンにかける。
      4. シガール型に詰めて円筒状に成形し、ココナッツのパルフェの厚みに合わせてカットする。
    • マンゴーのソース

      Sauce à la Mangue

      マンゴーのソースの作り方

      1. マンゴーピュレ、パッションフルーツピュレ、シロップ、水を混ぜ合わせる。
      2. 1に角切りにしたマンゴーを加えて混ぜ、細かく刻んだミント、削ったライムの皮を加える。
    • オパリーヌ

      Opaline

      オパリーヌの作り方

      1. 鍋にフォンダン、トレハロース、水アメを入れ、火にかけて160℃まで熱して溶かし、オーブンシートを敷いたバットに流して固める。
      2. 1をミキサー等で粉砕する。
      3. オーブンシートを敷いた天板に長方形と円形の紙型をのせ、2を厚みが均一になるようにふるう。
      4. 3の型を外し、200℃のオーブンで10秒ほど加熱し、溶かす。長方形のものは熱いうちに円柱状の型に巻きつけ、筒状に形を整える。円形のものはそのまま冷ます。
    • ハーブ、花

      Herb,fleurs

      ハーブ、花

      フェンネルの花、トレニア。ミントも一緒に、仕上げに飾ります。

    組み立て

    円柱状に冷やし固めたオパリーヌ
    平皿を使用。ソースがたまりやすいよう浅くくぼみのあるもの。

    Column こぼれ取材

    編集部  このデザートのポイントを教えてください。

    髙橋  下(ココナッツパルフェ)が冷たくて、上(ライムのメレンゲ)が温かいので、口の中で不思議な感じがするのではと思います。あとは、メレンゲに少し酸味があるので、それが甘さを切って(甘さをしつこく感じさせず)食べやすいかなと。下のソースにも酸味があります。全体的に、軽くて酸味があるので、大きい割にはスッと食べられます。

    でも、それ(メレンゲ、ココナッツパルフェ、マンゴーソース)だけだと、コクがないというか。そのため、アングレーズソースをセンターに入れて乳製品のコクを出している、という感じです。

    編集部  食感、味わいとも、とても軽いですね。それで、どんどん食べ進めるとソースが流れ出てきて。センターにはピスタチオのアイスも入っていました。組み立ては、こういうのがやりたいな、というイメージはあったのですか?

    髙橋  もともとは、料理があるんです。セルクルで焼いた塩味のスフレで、中から卵黄が流れ出てくる。それを甘くしようと。ただ甘くするだけでは芸がないですし、温かいのであれば、下に冷たいものをもってきてはと。

    上の泡とアングレーズのみで作ってみたこともあるんです。でもそれだけでは、まずくはないのですが物足りなくて、コンセプトもいまいち見えてこない気がして。

    美味しくするにはと考えるうちに、こういう組み立てに。

    編集部  メレンゲは、実際はライムジュースなどの液体に乾燥卵白を加えて立てたものですね。

    髙橋  そうですね。酸味をプラスするためです。ココナッツとライムの酸味が合うので。味的には、もともとライムのパルフェとココナッツのムースのデザートを出していて、そのアレンジです。ソースもマンゴーパッションを合わせていました。

    編集部  取材で拝見したことがあります。そのときはお花やハーブはのっていなかったですが、今回のせたのは理由があるのですか?

    髙橋  可愛いかなと思って。

    編集部  えっ。

    あ、すみません。シャクシャクとして、サラダのような感覚があり美味しかったので。

    髙橋  ああ。これに関しては、本当に、単純に可愛いかなと思って。でもこれと別に、サラダ感覚で食べられるデザートを今、出しています。アヴァンデセール(一皿目のデザート)で、マスカルポーネのブリュレなのですが、クランブルとブルーベリーを散らしてオキサリスとミントで覆って、客席でミントとレ・リボ(発酵バターミルク)の液体窒素アイスをふりかけるという。それもすごくお客さんからの評判がいいです。食べやすいって。

    このあいだあるレストランに食事に行ったのですが、ナスタチウムやオキサリス(辛みや酸味が強い)を思いきった量で使っていたり、花やハーブを茎ごと、それも飾りではなく具として使っていたりしました。それを、味のバランスが成り立つようにまとめていて。僕にはなかなかない発想で、しかもきちんと狙いがあってそうしているというのが感じられて、とても勉強になりました。

    編集部  レストランでの食事に、そういった発見があるんですね。

     

    Fin.

    次回は「パンペルデュ」をお届けします。