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    Serial連載

    髙橋 雄二郎ル スプートニクのデザート

    Vol.3 モンブランカシス

    薄く焼いたメレンゲで全体を包み、食感と風味の軽さを強調したモンブランです。主役の栗は、ムースとクリームの二種。仕立てを変えて、味の感じ方や、舌にとどまる時間の長さに変化をつけています。メレンゲの中はその他に、クレーム・シャンティイ、牛乳のアイス、ビスキュイ・ジョコンド。温度差はあるものの全体に甘い構成に、カシスのパウダーアイスで酸味をきかせ、切れ味よく仕上げます。

    PHOTO: MASAKO KAKIZAKI
    • Elément de configuration

    モンブランカシスの構成要素

    下の各パーツをクリック(タップ)すると、作り方や使い方が表示されます。

    • ビスキュイ・ジョコンド

      Biscuit Joconde

      ビスキュイ・ジョコンドの作り方

      1. ミキシングボウルに粉糖、卵黄、卵白を合わせ、リュバン状まで立てる。
      2. 卵白、グラニュー糖でメレンゲを立てる。
      3. 1に2の3分の1を加え、2、3回ゴムベラで混ぜたら薄力粉を加えてさっくりと合わせる。残りの2を加えて合わせる。
      4. シルパットを敷いた鉄板に3を気泡を潰さないように7㎜厚さにのばす。180℃のコンベクションオーブンで約8分焼く。
    • マロンムース

      Mousse aux Marrons

      マロンムースの作り方

      1. 鍋に牛乳を入れて火にかけて温める。
      2. ボウルにグラニュー糖、卵黄を入れてすり混ぜ、1を加えて混ぜる。
      3. 2を鍋に戻してアングレーズを炊き上げる。(甘みをおさえるために砂糖を控えめにしてあるため、煮詰めすぎないようにする)
      4. マロンクリーム、マロンペーストを合わせてフードプロセッサーでなめらかにし、ボウルに入れる。3を加えて素早く混ぜる。
      5. ゼラチンと水を合わせて温め、溶かす。熱い4の一部を加えて溶かし、ボウルに戻して混ぜ、粗熱を取る。
      6. ラム酒を加え、七分立ての生クリームを加えて合わせる。冷蔵庫で冷やす。
    • 牛乳のグラス

      Glace au Lait

      牛乳のグラスの作り方

      1. 鍋に牛乳、グラニュー糖、スキムミルク、生クリーム、水あめ、無塩バター、安定剤(ヴィドフィックス)を入れて火にかけ、82℃まで温め、温度を保ちながら5分加熱する。
      2. 1を漉して冷やし、アイスクリームマシンにかける。
    • マロンクリーム

      Crème de Marron

      マロンクリームの作り方

      1. 和栗は皮をむき、シロップとともに鍋に入れ、やわらかくなるまで煮る。
      2. 1をミキサーでピュレ状にする。
      3. 2、マロンペースト、生クリームを同量ずつ合わせる。
    • クレーム・シャンティイ

      Crème Chantilly

      クレーム・シャンティイの作り方

      生クリーム、グラニュー糖を合わせて泡立てる。

    • メレンゲ

      Meringue

      メレンゲの作り方

      1. 卵白を泡立て、118~120℃に熱したシロップを注いでイタリアンメレンゲにする。
      2. 1をオーブンシートに薄くのばし、低温のオーブンで乾燥焼きする。
    • 粉糖

      Sucre Glace

      粉糖

      仕上げに雪のようにふります。

    • カシスムースのアイス

      Glace au Cassis

      カシスムースのアイスの作り方

      1. カシスピュレを鍋で温める。
      2. ボウルに卵黄、グラニュー糖を合わせてすり混ぜ、1を加える。
      3. 2を鍋に戻してとろみがつくまで加熱する。
      4. ゼラチンを加えて混ぜ、漉す。30℃くらいまで冷ます。
      5. 4にカシスリキュール、カシスピュレを加えて混ぜ、泡立てた生クリームを加えてさらに混ぜる。
      6. 卵白、グラニュー糖でメレンゲを作り、5に加えて合わせ、冷蔵庫で冷やす。

    組み立て

    円柱状に冷やし固めたオパリーヌ
    皿の上で組み立てます。

    Column こぼれ取材

    編集部 モンブランは、シェフが独立される前から作っていますよね。

    髙橋 はい。レシピは以前とほぼ同じです。ただ、今回はメレンゲが外にあります。あと、ビスキュイとクレーム・シャンティイを追加しています。カシスのムースは、液体窒素でパウダー状にしています。

    編集部 以前はマロンクリームを外に絞っていましたが、今回はどうしてこの形にしようと思ったんですか?

    髙橋 流行っぽいからです。

    編集部 ……。

    髙橋 なんですか? ああ、ここは赤裸々に言ってはダメなところだからっていうことですよね。もちろん、もともとの形でもいいんですけど、より軽くするなら、こっち(今回の盛りつけ)かなと。

    編集部 軽くと言うのは?

    髙橋 メレンゲの食感とか。

    編集部 食べた印象ですか? 最初に薄いメレンゲがくる。

    髙橋 そうです。それに、比率的にメレンゲが増えるので、それで軽くなるということもあります。
    僕は、モンブランはけっこう軽めが好きです。クリームも、お店によってはどっしりとしてかたい場合もありませんか? 個人的な好みですが、僕はやわらかいほうが好きで。

    編集部 そうなんですね。ところで、カシスを使うのは変わっていないですね。カシスと栗は、合わせる方がけっこう多いように思いますが。

    髙橋 そうですね。美味しいと思いますし、相性は、定番だと思います。オレンジとかも、合わなくはないですけど、カシスほど合うかというと……。もちろんモンブランそのままでも美味しいですけど。シャンティイと、メレンゲと、モンブランクリーム。でも、酸があるほうがレストランとしては食べやすいかなと思って、カシスにしています。いろいろできるとは思うんですけどね。抹茶とか……でも、中途半端になるんだったら、このベストな組み合わせでいくのがいいんじゃないかなって。甘さをカシスが切ってくれるので。

    編集部 他は甘いものばかりですもんね。牛乳アイスで冷たさはありますが、メレンゲ、マロンクリーム……。

    髙橋 あ、栗は、今回に関してはフランス産の缶詰でやっています。

    編集部 今回に関してはと言うと?

    髙橋 国産の栗を使ってもいいんですけど、意外と、和栗のモンブランって、口どけが悪いと思うんです。なめらかには作るんですけど、けっこう、粒粒感というか、ざらっとするので、今回はなめらかさをとりたいというのと。重さやコクよりも軽さをメインにとっていたと思います。
    ……あっ、モンブランクリームには和栗を入れてました! でも、メレンゲとシャンティイの比率が高いので、そんなにざらざら感は強くならないです。

    編集部 シェフのお店のお料理を食べたあとだと、軽くてなめらかなモンブランが美味しく感じそうです。

     

    Fin.

     

    次回は「茸のクレープ」をお届けする予定です。