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    Serial連載

    髙橋 雄二郎ル スプートニクのデザート

    Vol.2 苺のスムージー

    飴の筒の中に、フレッシュのイチゴ、イチゴやリコッタのムース、ハイビスカスのジュレ、ヨーグルトのソルベを重ね、イチゴのエスプーマを絞ります。崩してスプーンですくったときに、全てがバランスよく入るように重ねるのがポイント。それぞれの味、温度、食感や香りがまとまってひとつの美味しさになり、ともすれば弱くなりがちなフレッシュのイチゴの、華やかでみずみずしい風味もいきます。

    PHOTO: MASAKO KAKIZAKI
    • Elément de configuration

    苺のスムージーの構成要素

    下の各パーツをクリック(タップ)すると、作り方や使い方が表示されます。

    • オパリーヌ

      opaline

      オパリーヌの作り方

      1. 鍋にフォンダン、トレハロース、水アメ、イチゴピュレを入れ、火にかけて160℃まで熱して溶かし、オーブンシートを敷いたバットに流して固める。
      2. 1をミキサー等で粉状に粉砕しながら、色粉を加えて色をつける。
      3. オーブンシートを敷いた天板に長方形に抜いた紙型をのせ、2を厚みが均一になるようにふるう。
      4. 3の型を外し、200℃のオーブンで10秒ほど加熱し、溶かす。熱いうちに円柱状のものに巻きつけ、筒状に形を整える。
    • ダックワーズ生地

      Dacquoise

      ダックワーズ生地の作り方

      1. アーモンドプードル、粉糖、薄力粉を合わせてふるう。
      2. 卵白とグラニュー糖でメレンゲを作り、レモン汁を加えて混ぜる。
      3. 2に1を加えてさっくりと合わせ、5㎜くらいの厚さにのばして170℃のオーブンで8~10分焼く。
    • イチゴのムース

      mousse aux fraises

      イチゴのムースの作り方

      1. グラニュー糖、カシスリキュール、水を合わせて118℃に熱する(シロップ)。
      2. 卵白とグラニュー糖を合わせて泡立て、1のシロップを少しずつ加えてイタリアンメレンゲにする。
      3. ゼラチンにイチゴリキュールを加えて湯せんで溶かし、イチゴピュレ、カシスピュレ、レモン汁を順に加えて混ぜる。
      4. 2に3を加えて混ぜ、五分立てにした生クリームを加えて混ぜ、冷やす。
    • リコッタのムース

      mousse à la ricotta

      リコッタのムースの作り方

      1. ガーゼを重ねたザルにリコッタチーズを入れて1日水切りし、ハチミツを加えて混ぜ合わせる。
      2. 生クリームとグラニュー糖を合わせて八分立てにし、1に加えてさっくりと混ぜる。
    • ハイビスカスのジュレ

      gelèe d'hibiscus

      ハイビスカスのジュレの作り方

      1. 水、グラニュー糖、削ったレモンの皮とライムの皮、ミント、ショウガを合わせて沸かし、火を止めてハイビスカス茶葉を加えてラップをかけ、色と風味を出す。
      2. 1にライチリキュール(ディタ)を加えて味を調え、漉す。
      3. 2にゼラチンを加えて溶かし、漉して冷蔵庫で冷やし固める。
    • ヨーグルトのソルベ

      sorbet au yogurt

      ヨーグルトのソルベの作り方

      1. 水、水アメ、グラニュー糖を合わせて沸かし、氷をあてて冷ます。
      2. ヨーグルト、レモン汁、ハチミツ、生クリームを混ぜ合わせ、1を加えて混ぜる。ソルベマシーンにかける。
    • ハイビスカスのエスプーマ

      espuma de hibiscus

      ハイビスカスのエスプーマの作り方

      1. 常温で溶けた状態のハイビスカスジュレを、エスプーマのディスペンサーに詰め、ガスを注入する。

    組み立て

    円柱状に冷やし固めたオパリーヌ
    皿の上で組み立てていきます。飴の筒が水分に弱く崩れるため手早く作業します。<br>皿の中央にオパリーヌを立てて置く。

    Column こぼれ取材

    編集部 イチゴはやはり、春に使うことが多いですか?

    髙橋 店で使うのは、1月くらいからですかね。年中なくはないんですけど、一応、旬が春先のイメージなので、春に使うようにはしています。僕は福岡県出身なので、使うイチゴはあまおう、と言いたいところなのですが、今回はとちおとめを使いました。

    編集部 どうしてですか?

    髙橋 あまおうは大きいので、カットすると中の白い部分の面積が大きくなるじゃないですか。まわりの赤い部分に香りもあると思いますし、今回のような使い方であれば、とちおとめがいいかなと思います。丸のまま使うのであればあまおうでもいいと思います。

    編集部 今回、パーツが多いと思ったのですが、イチゴをデザートにするときに、味の構成で気をつかうのはどんなところでしょうか。

    髙橋 まず、イチゴを他の素材と組み合わせるとき、フレッシュのものだけを使うとなると、(デザートとして完成させることが)難しいと思います。ピュレにしたりするにしても、(そのままではなく煮詰めて)味を濃縮させていきます。たとえばチョコレートと合わせるときに、フレッシュのイチゴだけと一緒に食べても、美味しくないと思いませんか?

    編集部 ああ。

    髙橋 (ピュレにするなど)加工して味を濃くしたものじゃないと、合わないと思います。フレッシュのイチゴでは、(組み合わせる素材に対して)味が薄い。ロールケーキの中に入れるとか、ショートケーキみたいに、本当にやわらかくて繊細なつくりのものでないと、相性はよくないと思います。今回は他のパーツも強めなので、あえて冷凍ピュレなどを使って(フレッシュ以外にムースなど、風味に強さのあるイチゴのパーツを作って)います。フレッシュのものだけだと、どうしても弱い。イチゴはベリーの中でも、たとえばフランボワーズとかブルーベリーに比べて酸味がそんなにとがっていないですし。

    それと、このデザートは、素材としてはイチゴが主役ですが、単体で勝負をしているわけではないです。色々なものと組ませて、総合的に味のバランスがとれて美味しいと言うところを目指しています。他のデザートにも共通することですが……全体を一緒に食べてバランスがよくて、という作りのものです。

    編集部 今回はその全体のイメージが、スムージーのような感じ、ということですね。

     

    Fin.

     

    次回は「モンブランカシス」をお届けする予定です。